東京高等裁判所 昭和51年(う)2471号 判決
被告人 関恵志
〔抄 録〕
しかしながら、原判決が、その挙示引用する関係証拠により、被告人に原判示の常習傷害の事実を認定した措置は、優に首肯することができる。すなわち、右証拠、特に、検察事務官作成の前科調書、裁判所作成の略式命令謄本(三通)によれば、被告人は、昭和四五年九月二九日八王子簡易裁判所において傷害罪により罰金一万五、〇〇〇円に、昭和五〇年五月三〇日同裁判所において同罪により罰金四万円に、同日立川簡易裁判所において暴行罪により罰金六万円に各処せられていることが認められ、かつ、本件は、被告人が原判示のタクシーの運転手である荒幡忠由(当時三二年)に対し、些細なことに憤がいし、たやすく原判示の暴行を加え、加療約五日間を要する原判示の傷害を負わせたものであるところ、暴力行為等処罰に関する法律一条の三に規定する「常習として」とは同条に掲げる刑法各条の犯罪行為を包括して考察し、その一種又は数種の暴力行為を犯す習癖があることをいうものと解すべきであるから、被告人が前記のように刑法二〇四条、二〇八条の数種の犯行を繰り返えし犯した前科等により被告人には暴力行為等処罰に関する法律一条の三所定の常習性があるものと認められるから、原判決には所論のような事実誤認は存しない。所論は、独自の見解に立って原判決を論難するもので、到底採用することができない。論旨は、理由がない。
(谷口 金子 小林)